江戸時代に盛んだった青森の藍染。時代と共に衰退した産業を休耕田の活用で地域活性に繋げられないかとの吉田氏(現理事長)の思いからあおもり藍産業協同組合が発足しました。

2010年、あおもり藍で染めたポロシャツがJAXAのコンペで採択の上、スペースシャトルの船内着として使用され注目を浴びます。決め手の一つとなったのは宇宙空間でも安心な天然の抗菌抗臭性でした。

そして、天然の機能性を丸ごと取り出せないかと、2014年に組合と東北医科薬科大学の薬学博士である佐々木教授との共同研究がスタート。しかし、石油系の溶媒を使わないと抽出できない従来の方法では、農家が農薬を使わずに育てた素材を台無しにし、人と環境に対して安心安全ではない、との思いから試行錯誤の日々が続きます。

その後も研究実験を重ね、ついに100%天然由来のものだけで藍の抗菌性の元となる「トリプタンスリン」を抽出することに成功。そして、このまったく新しい独自の方法で抽出された「トリプタンスリン」を第三者機関の検査に依頼します。

ひとつの菌が通常の環境では10万個まで増えるような条件のもと行った検査においても、菌はほとんど増殖しませんでした。その静菌性は、抗真菌薬であるエコナゾールと同等の強さである「単独のトリプタンスリン」以上に、極めて強い限界値の結果となりました。

この新しい抽出液は通称「あおもり藍エキス」と呼ばれ、特許を取得。 その後、近畿大・東北医科薬科大・富山大、神戸大の共同研究や、弘前大学での研究において、ウイルスに効果があることが発表されるなど、極めて高い機能性をもった素材として現在も研究や商品開発がすすめられています。

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